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2021年3月21日

「根粒菌」のチカラ

畑で越冬させたじゃがいもを掘り返していたら、雑草であるカラスノエンドウの根には「根粒菌」がびっしり!

写真にある根っこに付いた白く丸いコブ状のモノの中にはたくさんの「根粒菌」という土壌微生物が居て、大気中の窒素をアンモニアに変換し(窒素固定といいます)、植物の生育に欠かせない窒素を主にマメ科の植物に供給する働きをしています。

窒素成分は植物の成長にとって無くてはならないものであり、化学肥料として製造されるアンモニアは1000気圧という超高圧、かつ500℃という高温のもとで窒素と水素の化学反応で工業的に作られるのですが、これには莫大なエネルギーを費やさなければなりません。

それに対して「根粒菌」は、この反応を常温常圧でいとも簡単にやってしまうことができる、まさに自然が創造したスーパーバクテリアなのです。

「根粒菌」は宿主であるマメ科植物の根から炭水化物をもらい、その代わりに空気中の窒素から変換したアンモニアという窒素成分を与えるというカタチで共生しているわけです。

一方、化学肥料を畑に使用した場合、植物である作物は自分が作り出した炭水化物を全く与えることもなく窒素成分を取り込めるので、早く大きくなります。

農家にとっては大変都合がいいように思われるのですが、その結果「根粒菌」などの植物と共生関係にある土壌微生物はやがて姿を消してしまい、徐々に痩せた土になることで、また多くの化学肥料を入れなければならないという悪循環の繰り返しとなり、最終的には死んだ土になってしまいます。

アメリカや中国などではこうして化学肥料を多用することで全く作物ができなくなってしまった死んだ農地が年々恐ろしいペースで広がり大問題になっており、今後は持続可能な有機農法に転換しようという動きが急速に拡がりつつあります。

生物多様性のスタートであるバクテリアが生存できないような畑はもはや自然とはかけ離れたものであり、そんな不自然な畑からは人が食べることで健康になれるような生命力のある栄養価の高いまともな作物が育つわけがないのです。

坂本自然農園ではこれからも子々孫々、未来永劫ずっと残せる自然豊かな田や畑にこだわっていきたいと思います。